過去の事業
平成17年度情報化月間行事
講演会『放送と通信の融合は地域の生活に何をもたらすか』
第1部 放送と通信の融合について 月刊「ニューメディア」発行人 天野 昭
(要旨)
デジタル技術はめざましく進歩している*1。例えば映画では『4Kピュアシネマ』と言う4,096×2,000(800万画素)の映画が実用になっている。35ミリフィルムをはるかに凌ぐ性能でフィルムと違い反復使用が可能という。
7月29日開催の情報通信審議会「第2次中間答申」では、2011年7月にアナログ放送を終了するために地上波デジタル放送の電波を直接受信するほかに、『光ケーブル網によるインターネット方式による再送信*2』『通信衛星による再送信』の案が出された。これについてCATV業界からの反論もあるが、これを拒絶することなく県内のネットワークが連携して、デジタル放送を再送信することが大切と思われる。
これからは、CATV事業者が単独では勝ち残れないのではないか。デジタル放送は多くの視聴者に受け入れられており、連携することについては県民にも受け入れられると思う。
*1 デジタル放送の普及は予想以上に急速に進んでいる。例えばBSデジタル放送の例では'05年8月末現在の受信世帯数は直接受信が830万台、ケーブルテレビ受信が183万台,あわせて1,000万台(世帯)を突破した。一方の地上デジタル放送は8月末で578万台が普及している。10%の普及率ではモノクロTVが4年、カラーテレビが3年、これに比べBSデジタル放送は2年11ヶ月、地上デジタル放送は1.5年と最速の普及速度である。
*2 特に島根県に関係するIP方式の再送信では、放送から家庭に届くまで『中継ネットワーク』と『アクセスネットワーク』に大別される。中継ネットワークはインターネット回線とは独立したもので放送センターから通信会社の収容局内(例としてNTT)までの映像変換処理を行うもので、アクセスネットワークは収容局から視聴者宅間での光ファイバー回線を意味する。この回線はギガ・イーサーPONという伝送システムが主流で、最高速度1G(ギガ)bpsで最大32ユーザーに分岐。これを同時に利用しても1ユーザーあたり31Mbpsを確保できるため、テレビの動画配信が可能となる。光ファイバーサービス(FTTH)では現在話題になっているのが「トリプルプレーサービス」即ち、データアクセス(インターネット)・IP電話に加えてテレビ放送の伝送サービスが加わり情報のインフラとして最強のものとなった。更に無線を駆使した「モバイル通信」がこれに加わり「クワデュルプル・プレー」といわれ究極のシステムが出来上がる。