平成18年5月22日 (社)島根県情報産業協会の多久和会長、今岡副会長が島根県庁において商工労働部山根部長に、平成18年5月26日地域振興部山下部長に「情報産業の振興に関する提言書」を提出しました。
提言書 |
島根県情報産業協会は、情報技術の開発及び利用の促進や情報化の基盤整備を通じて情報産業の振興を図り、もって島根県の経済・社会の発展に寄与することを目的としております。 当協会に加盟する企業の平均年齢は最も活力のある30歳前後となっているなかで、島根県の人口減少とりわけ若年人口の減少と若者の県外流出が顕著になり、情報産業においても衰退を予見することとなります。 このような憂慮すべき事態に対して当協会としても情報産業の振興を通して若者の定住を推進すると共に地域産業の活性化に最大の努力を惜しまない所存であります。この目的から島根県の定住化対策と産業の活性化を図るために官民一体となった施策が必須と思慮されますので、次の三点について提言をします。 平成18年5月22日 (社)島根県情報産業協会 会長 多久和 厚 |
申し上げるまでもなく島根県が比較的小さな市町村で構成され、かつ東西に長い地形から情報格差が生じやすい環境にあります。そのことを見据え島根県自らが、全県IP網を整備されました。今後はこうしたインフラを活用して産業の活性化を促し県民生活の利便性を高めると共に、定住化を推進することが急務であります。
地上テレビ放送のデジタル化が今年10月から山陰でも実現し、高度で多様化したコンテンツが家庭に届けられようとしています。
一方で島根県は電子自治体の実現に向けて住基カードの普及や電子申請システム整備事業などに積極的に取り組んでおられます。しかし現在では県民に必要なコンテンツが少なくその活用も充分ではないように見受けられます。
島根県はシステム調達においてその運用や構築コストの低廉化などの目的により、開発から運用保守までを一括発注されています。
しかし、この調達方式は開発の期間や納入実績から県外のベンダーが採択されるケースが多くその結果県内事業者には事業実績はもとより技術的スキルやノウハウが蓄積されず、県内産業の衰退につながりかねません。県内情報産業育成のために次の提言をします。
コンペティションの採点項目に県内事業者の貢献度を最大限評価すること。
地元産業の育成を図り、しいては島根県財務の還流のためにも、島根県のコンペティションにおいて地元企業の参加を優先度の高い評価項目として戴きたい。また発注の分割化や、システムの構築と運用の分離を視野に入れた仕様にするなど、地元企業がコンペティションに参加しやすい発注形式となるよう配慮を求めます。
(以上)