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事業内容

過去の事業

しまね情報化フォーラム'98開催

パネルディスカッション

(北川) 今、知事さんのお話にごさいましたように、平成七年から、従来は島根大学の理学部だけでございましたけれども、工学部を新らしく作るということで、私ども最初のうちは理学部以外に工学部を学部として独立して作るという考え方でおった訳でございますけれども、どうも21世紀はそういう時代では勿論ないのではないかと。勿論理工が進むべき様々な分野というのも、先程江崎先生から話にございました様に、相当重厚長大型から変わってきているという中で、しかも基礎科学と応用科学と言いますか創造科学というのはどちらかというと分離された形であったと思います。そうではどうもいけないのではないか。むしろ基礎科学と応用科学というのはある意味で一体的に同じ学部の中でやるべきではないかという話が途中で盛り上がってきまして、そういうことから学部としては本来二つあるべき学部が合体した学部、しかも平成七年に出来た時には、理学部の教官の他に、この2、3年のうちに教官も非常に厳しいです。その中で70名余りの教官が新任の教官として島根大学に就任してきておられます。そういう意味では、これは県知事さんはじめ、県内の皆さんの非常に強力な支援があったということを感謝したいと思いますが、しかしそれは感謝を実績でお答えしていくということになるわけです。従いまして従来応用科学の分野というのは農学部がかなり強力にやっていたのですが、それでは工学分野が弱いということもありまして、農学部の改装をやって、農学部のどちらかというと生命科学的なのですね。バイオテクノロジーの関係を中心にしている。そして生産と流通と高度なバイオ技術をどう合体させるかいうようなことをやる学部として生物資源科学というのを作った。一方では理と工を合体して総合理工学部という学部にした。それは基礎と応用の融合だと考えて頂いてよいと思います。これは恐らく日本の国立大学の中では初めての学部構成だと思います。
 そういうことで現在進めておりますが、先程大学の奥にSoft business parkをというお話があり、私はいつも大学の北側に park が出来るということですから、これは地理的に極めて近い、そしてそこへ地域共同研究センターというのを、今はまだ建物が出来ておりませんから学内にありますけれども、これは平成12年、正に理工学部の学生が巣立つその年に焦点を合わせながら、park の中へ地域共同センターを作るということになっております。従いまして従来どちらかというと地域の産業に対し、或いは地域のそれぞれの経済活動に対して、どちらかというと学の分野の貢献というのがなかなか上手くいかなかった面がございました。正直申し上げまして。その点ではそういう分野が出来てきますし、その両方を繋ぐSoft business parkの中へ、地域共同研究センターというようなものが出来るということになりますと、研究の成果を企業化する或いは産業化していくために、大学がそこに乗り出していくという場面が出来てまいります。そういう意味で正にこれはアメリカ辺りのシリコンバレーなどで、恐らく知事さんがアメリカ等へ行ってこれられて、そういうことを頭に入れられた構想だったと思いますが、私ども学の方もそれとタイアップして充実したものにしたいと思っておりますが、江崎先生とは私は3年間、江崎先生が筑波の学長さんでした。私も此方から出かけて行って、年に2回ずつ学長会議があるのですが、ですから6回はご一緒させていただいておる訳でございます。江崎先生はA級の学長で、私はB級の学長でございますから、いつもほとんどあの会話江崎先生が喋っておりました。よく聞かされては帰っておりましたが、久しぶりに今日もお聞かせいただいたのですが、そういうことでこれからも島根のある意味ではSoft business parkを介在しながら地域の産業の高度化に貢献したいと思っております。

(須藤) ご謙遜なさっておりましたが、北川学長は林学の方面では相当の学問的な権威でございまして、私も5年ぐらい前になりますか、知事からもお話がございました、2010年に向けての将来ビジョンの委員をやらせていただいて、北川先生が会長だったんですが、中山間地の系図或いは居住空間の改革プランというのはかなり革命的な、デジタルではないのですが、有機農業的バイオテク的革命的なプランだったと思います。それがそのまま審議会で通ったかどうか知りませんけれども、それをみてなかなか凄い人だなということを改めて感じた次第であります。ところで、今3人の方にお話いただいたのですが、江崎先生は世界のトップクラス、IBMの研究所とか、それまでの研究業績を活かして筑波大学の総長におなりになりまして、いろいろな改革プランなどをお立てになりました。その江崎先生の目から、或いは頭を使って今の3人のお話を聞いてどのようにお感じか、或いはこういうことをやった方が良いよというご注文があればお伺いしたいと思います。

(江崎) 私今話をお聞かせいただきまして、知事さんはじめ皆さん大変面白い計画を立て、これを何とか成功の方に持っていっていただきたいと思います。私ごく一般的なことしか話はできませんが、まずグローバリゼーションの世の中です。グローバリゼーションとリゾナリゼーションというものが二つの柱になっていると思います。確かに島根の繁栄ということが重要でございます。しかし私から申し上げたいことは、国際化ということが大変重要でございます。やはり外国の企業を持ってくる、或いは外国人をここへ連れてくる。昔ラフカディオ・ハーンが参りましたけれども、エンジニアであり、サイエンティストであるようなラフカディオ・ハーンをここへ連れてくると、ここ島根は魅力を持っているのではないかと思っています。先程知事さんから話を聞きまして、日本全体の大体1%だとおっしゃいましたけれども、実際ここの名声は日本の隅々まで知れ渡っておりますし、国際的なビジョンからこのSoft business parkを作られるということが、将来の発展のために大変重要ではないかと思います。評価ということが最近盛んになっておりまして、大学のある学部を評価するとか、筑波等の研究所を評価するということです。その場合やはり外国人を入れないと本物の評価というものが私は出来ないように思います。日本人同志の馴れ合い、日本人同志の評価というものが殆ど評価にならない場合が多いようです。外国人が入るということで大変刺激が与えられる。申すまでもなく、現在のグローバリゼーションを先程須藤さん等が強調されましたけれども、現在の状況、Eメールにしましても、インターネットにしましても地球上の時間の差と距離の差を取り除いてしまったことです。それから或る意味に於いて国際的な競争に曝される時代になってきたことが一点。国際的な協力みたいなものも得られるようになった。インターナショナルのコンペティションとコラブレーションということ。ですから国際的、国際性というものを一つの軸に発展させるということが大変重要ではないかと思います。大変一般的なことではありますが。

(須藤) 有り難うございます。今重要な点をお話頂いたと思います。恐らく我々もつくづく感じているところではありますが、競争と協調です。恐らく完全な敵対者はいないだろう。しかし完全な協調者もいない。重要なことはグローバルな視野を持って、超感頭的な発想をもって、戦略的に協調し、戦略的に競争する。それは日本の戦国時代のように流動的な状況が続きますので、そこでどういう判断力があるか、展望性があるかということが重要になってくるだろうと思います。そこで頭脳parkとしてもこのSoft business parkは重要な役割を演ずることになるであろう、或いは演じなければ意味がないということになるだろうと思います。さて続きまして、第2の議題として、今度は準備されるべきインフラ。このSoft business parkでインフラ、どういう機能をもたせなければならないかということについてお話頂こうと思います。まず澄田知事からお願いします。

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