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事業内容

過去の事業

しまね情報化フォーラム'98開催

パネルディスカッション

(江崎) もうだいぶ昔の話だけどナポレオン・ボナパルトがこんなこと言ってるんです。サイエンスの発展とそれを充実させるということが国家繁栄のもとだと。もちろんナポレオン・ボナパルトだけじゃなく、みなさん科学技術の発展ということが国家の基盤であると、まあ国家だけじゃあなしに、その県の発展のひとつの基盤であるということは、もちろんこれは申すまでもないことです。ただその場合にやはり、重要なことはなんといいますか、セカンドランナーにはならない。ファーストランナーになるということが大変に重要、つまりセカンドランナーというのは、わが国全体がセカンドランナー的な習性をつけてることが今、問題になっている。
 わが国が世界に門戸を開いた1868年ですか、明治の始めですね、西欧でだいたいサイエンスが科学技術が、産業革命が発展いたしまして機械文明が力を持ってきたということですね。そういうものに日本人が接して、これは大変だと、これをなんとか吸収しないといかん、なるべく早く近代化していこうという、そういうことが教育の面で例えば東京大学をつくったとか、それからもろもろの新しい制度、外国人をつれてきた。たぶんラフカディオハーンもそういう線にそって、ここの中学校か高等学校の先生にまねかれたんじゃないかと思うんですが、その場合に日本人はそれなりに努力してアジアの国では初めて、ヨーロッパ並の生活水準をうることができるようになった訳です。その間戦争をやったり、もちろん間違ったこともつまづきもあった訳ですけども、そういうことができた。しかし、セカンドランナーとしての日本の発展は、もう限界に来たように思うんですね。セカンドランナーというのは先程も申しましたように、やはりお手本指向でファーストランナーの歩みをながめながら、自分がそれを吸収して、そのキャッチアップ型の経済発展、ところが、もうここにきますとやはり、なんといいますか自分でリスクをとって自分の創造力を働かして新しい産業をつくったり、新しい学問をつくる、そういう時代にきておる。だからファーストランナーというものは、やはり、リスクを取らなきゃいけない。いわゆる失策、失敗、私の経験からしましてもいっぱい失敗をしている訳です。それが試行錯誤ですね。英語でもうしますとクリエイティブ・フェイリアという訳ですね。非常に創造的な失策、しかし、それを繰り返しているうちに何かチャンスをつかんで、何か新しいブレイクする道を見い出す訳です。もちろん人まねをするのもかまわないのですが、しかしやはり、今回島根で新しいこういうことをやる場合には決して、あちらのものをマネするんじゃなしに島根ならではという、島根県の松江で非常にユニークなファーストランナーとして、こういうファーストランナーとしての意気込みで、こういうものを作っていただきたいと思います。

(須藤) どうもありがとうございました。 私も今のお話し聞きまして、やはり東京というのはセカンドランナーの制度化がキッチリできた空間だと思うんですけれども、今やはりブレイクスルーはどこからでも起こりうる可能性ある。そういう意味のインフラの差がですね、重化学工業の時代とは全然違う。これが、デジタル革命のいいところだと思うんですね。うまく人的な総合インフラをマッチングさせれば、今の先生のお言葉のファーストランナーになれる。考えてみれば2010年に向けての島根の長期構想というのは、島根から始める日本づくりというタイトルが確かあったと思うんですよね。それを具体化していくというのが島根ソフトビジネスパークの役割だろうというふうに思います。
 今日は著名な方々をお招きいたしまして、長い時間討論していただきました。もっと皆様のご質問を受けて、そしてパネラーの方にお答えいただきたいところですが、すでに時間もきております。もし何かございましたら事務局のほうにですね、ご質問いただければ事務局が手分けして質問表を回してくれると思います。今日はどうも長い時間ありがとうございました。もう一回パネラーの皆様に拍手をお願いしたいと思います。ではこれでこのパネルディスカッションを終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

(司会) ありがとうございました。壇上の皆様方に当情報産業協会副会長の石原智治より、お礼を申し上げたいと思います。

(石原) ひとことお礼を申し上げます。御参加の皆さんに盛り上げていただきまして、おかげを持ちまして盛会のうちに島根情報化フォーラムが終了できましたこと、本当にありがとうございました。まず本日基調講演とパネルディスカッションで、アドバイスを賜りました江崎先生に心からお礼を申し上げます。先生には、ヨーロッパからお帰りで大変お忙しいスケジュール、また当島根県にとりまして今極めて大切な課題でございます、産学官の連携による地域の振興にとりまして、高いご見識と抱負な御体験を通じたお話しをいただきまして多くの示唆と感銘を与えていただいたことろです。また、お教えいただきました科学技術の研究分野におきまして、それぞれの産学官の役割分担でごいますとか、それから21世紀に向けまして時代とともに変革していきます。そういった科学の傾向、ことにでてまいりましたライフサイエンスにおけますバイオテックな問題、さらにサービス業におきますソフトウエアの関係等々、今後の私共当地の産業を進めていくうえで大きな支えになっておるわけでございます。是非島根らしい産業を育ててまいりまして、是非トップランナー、ファーストランナーとしてひとつがんばってまいりたいと思っておるところでございます。どうか先生におかれましては、一層ご健康にご留意されまして、ご発展をお祈り申し上げますとともに是非引き続き当県の動きについて御注目賜りまして適時、御助言を賜ればそれにこした幸せはございません。本当にありがとうございました。
 それからパネルディスカッションにいらした須藤先生本当にお疲れさまでございました。ありがとうございました。最初にお話しをいただきましたデジタルエコノミーの話、確かにこの21世紀にかけまして大きなこれはキーワードだと思っておりまして、本当にありがとうございました。
 そしてパネラーとしてお話しいただきました、澄田知事さん、北川学長さん、井原会長、本当にありがとうございました。ほんとうにそれぞれの立場からソフトビジネスパーク島根への熱い思いを語っていただきました。なにぶんにも限られた時間でございますので、まだまだ語り尽きないというような気持ちはあるかも知れませんが、私達にとりましても、ふるさと島根を愛されます皆さんの気持ちというのは充分に伝わってまいったところでございます。やはり、あのそれぞれのお話しにでてまいりましたようにソフトビジネスパーク島根の成功が21世紀の島根の発展につながるということに、われわれにとっても同感でございまして、私共情報産業協会といたしましても微力ではございますが、できるだけの協力を申し上げたいと思っているところでございます。それぞれひとつ皆様方の、今後のご健勝とご発展をお祈りするしだいでございます。
 それから最後になりましたが、本日お越しいただきました会場の皆さん本当にありがとうございました。お忙しい中にもかかわりませず最後までおつきあいいただまして厚く御礼申し上げます。フォーラムを通じまして産学官の連携の必要性、また、これを具体化することによって将来の島根の飛躍は約束されます。ソフトビジネスパーク島根につきまして、お互いそれぞれ共通な意識を持つことができたんじゃないかなあと思います。どうかこれからそれぞれの立場から、このソフトビジネスパーク島根の成功に向けましてご協力いただければ、われわれ主催者といたしまして、これに過ぎる幸いはございません。本当に今日はありがとうございました。厚く御礼申し上げます。

(司会) それでは壇上のパネラーの方々が退席されます。皆さん拍手をもってお送りしたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
それではこれをもちまして島根県情報産業協会の主催によります、島根情報化フォーラムを閉会させていただきます。

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