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事業内容

過去の事業

しまね情報化フォーラム'98開催

基調講演

 本日は島根に招かれまして話をする機会を持ったことを大変嬉しく思う次第でございます。実はこの松江に参りますのは、もう50年以上昔、旧制高等学校の時でございまして、三高の2年生の時に松江や皆生温泉とか米子を旅行したそれ以来でございます。今日はここで与えられたテーマが「産・学・官の連携」でございますが、実は昨日中央省庁改革推進本部の顧問会員なるものに朝八時から朝食会みたいなもので、小渕総理も来ておられた会合で話しまして、こういう21世紀に於ける緊急対策のあるべき姿というそういうものも今日は話させていただきたいと思います。一番最初に小渕総理に贈ったスライド、これは前に橋本総理との対談という番組に出さされまして、その時に橋本総理にも見せたものでございます。

A級の指導者とB級の指導者

 もともと学長というものにはA級とB級があると言われます。私が米国に参りましたのは1960年ぐらいで今から40年程前になります。その頃カリフォルニアの名学長と言われてたのがクラーク・カーでございまして、「大学の効用」という本を書いて、その中にA級の学長、この場合大臣でも総理大臣でも良いのですが、本当のリーダーか、B級になりますと単なる役職保持者です。エディケーターなのかケアテーカーなのか、ビル・クリントンのような人はエディケーターとは一寸言えないところがある訳ですが、本当のクリエーターなのかインケーターなのかと遺産相続している人、もう一つは本当の創始者なのかコンセンサススィーカーなのか、それから権力の行使者なのか説得者なのか、通りをよくする側パイプなのか通りを悪くするボトルネックなのか。財政改革か何か知りませんが、皆さんA級になってもらわないと日本の浮沈もうまくいかない。学長も知事さんも皆さんA級なっていただくことや、日本の繁栄のために大事だということです。
 私も経験したのですが、日本のいろいろな官僚組織ではA級になれないような制度もいっぱいある訳です。その辺が問題なのです。権力の行使者、そもそも権力が働いていない訳です。人事権も配分権も与えられていない場合には権力の行使はできない。これは半分冗談で聞いていただければ幸いと思います。

宇宙と生命
 科学者が一番感動する言葉には私は二つあると思います。それは科学者だけではなく自然を愛する人と言ったほうが良いかもしれませんが、2つの言葉というのは宇宙と生命という言葉です。コスモスとライフという言葉で、コスモスというのはギリシャ語で紀元前六世紀か七世紀ぐらいにできた言葉ですが、我々が使う宇宙という言葉は西暦紀元前2世紀ぐらいに現れた言葉でございまして、宇宙というのは空間的時間的に無限だという意味です。コスモスというのは秩序があり調和があるというニュアンスが含まれています。それに関して我々は宇宙の起源とか物質の起源というものに興味を持っていますが、宇宙やライフに関して自然科学がある訳です。一つはフィジカルサイエンス物理とか化学とか宇宙科学や天文という分野の物理系科学、もう一つは生命科学です。ライフサイエンスと言われる分野です。だから自然科学には二つの大きな分野があることを申しあげておきたいと思います。
 20世紀というのは科学と技術、科学とは自然科学のルールを解明する知識であり、それを応用するのが技術であり、その科学と技術がすばらしい発展を遂げたのが20世紀の特徴だ。今世紀始まったノーベル賞というのは、グローバルなサイエンティフィック コンペティションを刺激して発展を一層促進させたということが言える。いろいろなビジネスに於けるコンペティションというものもいろいろな技術を進歩させたことは申すまでもないことです。当然ことながら、科学の進歩が新しい技術を生み、それらが経済発展、環境改善、保健の充実、インフラストラクターの整備、天災人災からの防備、生活の質の向上に大いに貢献してきた。大学に於ける研究成果も企業家も非常に重要だということを申し上げておきます。さて今世紀それ程自然界の大いに発展してまいりましたが、先程申しましたようにフィジカルサイエンスとライフサイエンスがあると申しましたが、それぞれの分野で今世紀最大の業績は、いろいろな業績がある訳ですが、一つは原子というものの構造を把握することができたこと。ですからミクロの立場から物質への理解を格段に高めた量子力学の発展というものまず上げられます。固体エレクトロニクスというものも量子力学なしには誕生できなかった訳です。それからもう一つは遺伝子の構造が解明されたということ。ミクロの立場から生命体の理解を格段に進めた分子生物学の発展。遺伝子工学というものが誕生しました。それからもう一つはこれは技術に関係するのですが、我々のマインドの機能を高めることに役立った。マインドというのは知ですね。アトムとジーンとマインドというものがキーワードだと思います。

21世紀の研究開発のあり方
 21世紀はどういうふうに今世紀と変わるのだろうか。どちらかと言いますと我々は自然界のルールの解明に努めてきました。我々はバイスタンダード傍観者だった。基本的な自然界のルールを我々は解明することが出来たのです。今まで自然界のドラマの中に積極的なパティシパントになりわれわれ人類の存続のために好ましい環境づくりエンバイラメントを作らなければならない。それから持続下の経済発展に英知を傾けることになる。コンピューターとかグローバル、通信ネットワークの発展は科学の知識を技術への応用ということが迅速になる。むしろフィジカルサイエンスからライフサイエンスの方へ移るであろう。21世紀の全般的な流れでございます。
 今日は産学官ということでございまして、日本にも当然あるのですが、米国の統計を使いまして一寸産官学のことを話させていただきたいと思います。研究開発費を 2 hundred billion dollar ぐらいお金を使っている訳ですけれども、その中で産が65%官が30%です。我が国ではこれが22%ぐらいでもっと上げろということを我々は言っている訳ですが。研究実施、誰が実施しているかについては、産が74%実施している訳です。お金は65%ですが、74%実施している。学が12%、官が8%。このような状況になっています。基礎研究、応用研究、後から申しますが、その割合は基礎研究がだいたい15%、応用研究が23%。これは専ら企業でやっている。基礎研究は専ら学と官がやっているという感じでございます。もう少し申しますと日本の年間研究開発支援というのはだいたい14兆円でございまして、三年程前に科学技術共和法ができまして、政府の出資が年々増加しておりまして、現在3兆円でございます。ですから14兆円のうち3兆円が政府ですから、先ほども申しましたように22%ぐらいの政府出資であります。米国は35%は政府が出していると申しました。米国の統計を使いますので、現在のドルの価値というものを基本にしますと、 80 billion dollar に相当する訳です。

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