【テーマ】 | ギガビットと電子商取引の展望 |
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【講師】 | 経済学博士 須藤修(東京大学教授:社会情報研究所) |
それからヨーロッパの例を紹介します。イタリアのシエナ市はシエナカードというものを発効しています。市役所と地元のモンテテパスキという銀行と共同で電子マネーを発効しています。シエナ市はこのカード、手元に持ってますけど、ICチップがありますがここに電子マネーを入れています。これによって公共料金が例えば市営駐車場料金や税金の支払駐車違反したばあいの罰金、子供を持っている世帯は市に納める教育費を全部払えます。端末がありますのでそれで全部できます。と同時に地元の200の商店で買い物ができます。と同時にシエナ市はケーブルテレビの普及率が70%です。このケーブルテレビの回線網を使ってインターネットができるようになっていて自宅から役所に行かずに税金を納めることができるシステムを作り上げています。これを普及させるために市営駐車場の料金を現金で払う場合は割引無しの100%ですが電子マネーで払う場合は50%割引です。ということはほとんどの人が持ってしまうわけです。これは地域の産、官、学、地域コミュニティの協力で成り立っています。同時に地域の産業を強化しているわけです。そういう取り組みをなすべきです。カード+インターネットの戦略を成功させていくわけです。市長にお会いして私はこれはアメリカよりもすごいといったら当たり前だといわれました。それぐらいの自負を持っているということです。
ICカードについてもう少し話をしておきますと、国際会議でヨーロッパ、アメリカの代表としゃべっているとほぼ国際的なコンセンサスが成り立ったのはインターネットアクセスはICカードを使うというコンセプトです。現在暗号通信を行う場合ソフトウエアでコンピューターのハードディスクに暗号をおくという形ですがこれはコンピューターウイルスやハッキング、クラッキングでやられてしまう可能性がありますのでドイツの場合特に法律で公開鍵基盤における秘密鍵といってもわかりにくいですけれど要するに暗号通信をやる場合自分が持っている鍵をコンピューターの中に置くなICカードに格納しろと言うことです。ICカードはタイタンパー機能がありましてかなりセキュリティの高いものになっています。そこでそれをコンピューターの横のPCカードのところのスロットに特殊な入れ物にいれて装着してそこで暗号化をするというやり方をすることになっています。ほとんどこれが普及すると思います。現在日本政府のプロジェクト、僕は自治省の委員もやってますけど建設キャルスの場合もだいたいこのICカードを使おうということでほぼ委員の間で一致しています。そういう形でセキュリティをかなり高度にするためにはICカードが必要不可欠である。ドイツではこれを法律で義務づけています。電子署名をやるって言うのは暗号を使って公開鍵基盤でやるんですけどもここに書いてあるように普通のサイン、日本でいう実印で印鑑を押すという行為をデジタルで署名するというものです。高度な暗号技術と認証技術を要求されるわけですがこれを法律で決めています。アメリカは州レベルでこれをやっていますがまだバラバラです。日本はどうかというと何もやってません。早急な対応が必要です。サミットの前までにはある程度の骨格を整えて方針は整えて望まないと行けないというのが日本政府の基本方針だろうと思います。5月にパリで行われた暗号に関する会議があったんですけれど日本の官庁の方がその前にこういう方針で行こうと思いますけど先生の意見を聞かせてくれといわれてだいたいそれでいいんじゃないか、公開性は必要でしょう。おそらくドイツ政府はこれでは手抜きだというふうな反応を示すだろうといったらおそらくそうでしょう。今この段階でスタートせざるを得ない。その点は民間の人にはある一定の理解をしてもらわないといけない。もちろんログ保管はかなり負荷がかかるわけですけれどセキュリティを考えるとやむをえないということです。それからその時に使うICカードなんですけども現在ICカードは多機能化しています。ジャバとマルトスの例をここに出していますが両方とも多機能カードで電子マネー機能だけではなくてクレジットカード機能、銀行カード機能、社員証という機能が全部はいっています。このチップの中にOS、コンピューターシッターのOSですね。ジャバの場合32ビットのOS、このパソコンと同じ中央演算装置を持っています。ラム、ロム、イースケアロム、RSA暗号1,024ビットの暗号をおさめますがこれは現在の技術で24年かかる強度の暗号ですけども、そういうものがある。同時にこれでインターネットアクセスできるしこのカードはコンタクトカードと言ってICカードのむき出しのチップの部分が接触して反応することになるんですがこの線のあるところが端子にになっています。これを無線波で送るというやつで非接触カード、コンタクトレスカードそれをコンビネーションでやるカードが今開発中でおそらくこの1,2年で実用化されると思います。たとえば銀行の時は接触でやって改札の時は電波を飛ばしてJRやバスなどの改札などをすますというやり方、フランスではもう始まってまして、ユーロ、紙幣はまだ発行されてませんが電子マネーは発行されています。しかもそれをフランスは、ポルトガルとイタリアと連合してやっているわけです。マイクロソフトがこの重要性に気づいてやっと昨年の10月27日パリでカルテ97という国際会議が開かれてその席上でマイクロソフトのクレイブ=マンディ氏が発表しました。ウインドウズNT、ウインドウズCD、ウインドウズという多機能カードすべてこのアプリケーションは100%互換にすると。こういうシステムを我々は構築するということを発表した。非接触カードの例としてはノルウェー、韓国、香港、フランス、オーストリア、ドイツとかいろいろあるが相当のことが今動いています。例えばこのカードがありますがオーストリアのサッカーの年間パスなんですね。紙で発行しなくて非接触のICカードでチェックできる体制です。これはジャバリングです。ディスプレイとキーボードのないコンピューターで32ビットのCPUそれからラム、ロム、イースケアロム、RSA、1,024ビットの暗号それからエージェントロボット機能も装着しています。非接触カードで1センチ以内で電波を飛ばしてコンピューターを動かすことができます。まさにウエアワークコンピューターというやつです。従来のコンピューターのイメージを覆すものだろう。先週ノルウェーの会議で今言った相当の技術がおこって社会が相当変わる、という状況で地域はどうあるべきか、グローバリズムが進行する中で地域社会の発展はどうすべきか、という事が主要な議題になっている。グローバリズムとローカリズムという問題をエレクトリックコマース教育をネットワーク化してどのように変えるのか、そして企業組織をどのように変えるか、産業組織をどのように変えるか、地方自治体の組織改革をどのように行うか、中央政府をどのように変えるか、民主主義をどのように変えるかというところまで議論しました。このもようはインターネットですべての発表者、23名が世界中から来て発表していますが、見ることができます。