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事業内容

過去の事業

GIGA BIT ギガビットセミナー開催

第1部 講演とデモンストレーション
【テーマ】 ギガビットと電子商取引の展望
【講師】 経済学博士 須藤修(東京大学教授:社会情報研究所)
ギガビットをどう活用するか
写真

 今郵政省が構築なさっているギガビットネットワークというのはこういうものを非常にスムーズに動かしてグローバルに、シームレスで早く、知識と情報を供給して新しい知識を創造する、そしてビジネス、行政、地域社会を変えるための物理的条件を、だと思うんですね。それが今研究レベルだけで行われていますがさらに民間に広げてほしいと思います。ギガビットネットワークは非常に重要なものだろうと思います。ここではそういうことをおり込みながら紹介しようと思いますが、必要になってくるのは今言ったようにインフラが整いつつあるのでとくに島根県はインフラが相当整いつつあると思います。後はこれをどう使うかそしてソフトウエアをどう開発するかそのアイデアが重要になってくる。これはノルウェーの経営学の先生で彼らはインフォメーションソサイアティという言い方をすごく嫌います。インフォメーションという言葉はあまりにも安っぽい、ナリッジソサイアティ、地域社会を作るといいます。その会議で重要だったのはアメリカ人はITインフォメーションテクノロジーといいますが、ヨーロッパの人たちはITはあまりにも物理的すぎるといってICTインフォメーションアンドコミュニケーションテクノロジーといいます。コミュニケーションを強化するものなんだという感じです。これを使ってエレクトリックコミュニティを作り上げる、と同時に地域社会の発展のエンジンにするんだといいます。その際重要なのがこちらの方はノルウェーの組織委員会委員長で、こちらはスタンフォード大学のウィリアム=ミラー教授でシリコンバレーの中心人物でNPOが重要である。要するに行政体あるいは民間営利部門とも違う信頼の構造を作る非営利民間組織の役割が重要になったと強調した。それを地域で作るべきだ、それにかなりの権限を与えるべきだということです。そして利害衝突などを調整して地域社会全体の利害をまとめあげて発展経路を作り上げてエンジンにする。そして情報化をドンドン発展させるべきだ、ということです。
 これは私がずいぶん前に発表した図なんですが今までは政府と市場が大きくて、その中間のグレーゾーンの機能力が非常に少ない。今後重要なのはシリコンバレーで見られるように、政府と市場の間のグレーゾーンの機能領域を拡大させてやる。そして、ここに権限をかなりもっていくということが必要だろうと思います。例えば日本で昨年自治省がOKを出しましたPFI(プライベート・ファイナンシャル・イニシアチブ)要するに地方行政の一部を民間に委託する、その委託する時、民間営利事業体も入りますが、受け皿は非営利民間事業体で地域コミュニティーの利害なんか調整する組織が必要だろうと思います。そういう組織デザイン、行政と地域と民間営利事業の新たな関係を作るべきだろうと思います。その民主主義を作り上げている典型的な例はシリコンバレーですが他にもあります。例えばフィンランド。これはフィンランド政府が発表したクォリティー・オブ・ライフ、ナリッジ・エンド・コンペティティブネンスでフィンランドの知識社会の新しい戦略というものなんですが、これは非常に重要な意義を持っています。
 実はフィンランドはソビエトが崩壊した時に経済が落ち込んでしまいました。ソビエトに隣接しソビエトの市場をめがけた商品開発をかなりしていたフィンランドの経済はめちゃくちゃになり、失業率は20%を超えました。そして失業してフィンランドを去る若者が続出しました。これではダメだということで、産・官・学・民・コミュニティーが集まって協議会を作りまして新しい社会構造を作り上げようということで、その焦点は情報産業そして情報産業化をうまく地域社会の発展、生活の質の向上、福祉の向上、医療の向上、企業の競争力強化、政府の効率化ということに焦点を置いたんです。今やフィンランドは日本よりも国際競争力が高い国になっています。(世界4位)代表的な企業はノキア(携帯電話)があり又、マウスを最初に開発したのはフィンランドです。(商品化したのはアメリカでしょうが)新しいサーバーのLinuxを開発したリナウスさんの出身地はフィンランドです。と同時にインターネットのネットワークで重要な役割をするルーターを最初に開発したのもヘルシンキ工科大学の教授すなわちフィンランドなんです。その位フィンランドは強い国になったんです。
 シリコンバレーの方々、特にスタンフォード大学の方々が地域情報化モデルで世界を代表する地域産業化モデルを13取り上げてそれの評価表を今回の会議に提出しました。フィンランドはすごいという評価です。もちろん、一番優れているのはシリコンバレーですが、フィンランドはその次か次位にくるでしょう。日本で取り上げられたのは岐阜ですが、下から3番目位です。理由は構想力に乏しい、硬直した意思決定システム、これではダメだという評価でした。ノルウェーについては事務局サイドにhttpのアドレスを伝えておりますので、そこにアクセスしてください。

地域社会と電子マネー

 地域社会の発展モデルで情報化で電子マネーについて、地域社会の発展の事を申し上げさせていただきたいのですが電子クーポンについて考えてみたいと思います。NTTのプロジェクトでこれのシュミレーションをけっこうやっているのですが、今年10月には東京で大規模な発表をすると思うのですが、電子クーポンというのは、かなり面白い、21世紀を展望する役割を演ずるかもしれないと考えています。すでにアメリカでは航空会社の発行するマイレージポイントが私的通貨(プライベートカレンシー)として国家紙幣に代わる流通権を確立しつつある。要するに、地方銀行が発行している銀行とは違うお金がマイレージカード航空券でポイントを集めたポイントがお金の役割をし、何でもそれでかえるような事になりつつあります。あるいは、カナダやアメリカでは一定時間の地域福祉活動、高齢者介護活動とか、環境保全活動、植林とか干ばつ材の伐採とか、下草刈なんかやった場合にその活動を評価してNPOがクーポン券を発行する。そのクーポンは日銀券、あるいはアメリカであれば連邦準備理事会が発行するドル紙幣と交換することは出来ませんがそれと同じように他のもの(ドル紙幣以外)は何でも買えるわけです。そういうものがプライベート通貨として流通しているわけです。そして、それをインターネットでやり取りしようということがけっこうなされています。イギリスなんかとやり取りしています。
 日本でも横須賀市がNTTの研究所と協力して今この実験の準備を始めています。これは地域社会、高齢者介護サービスとか保険側の環境保全システムの評価システムとして市場性がない、あるいは市場の評価(これはお金と交換できるということなのですが)それとは別の評価システム、要するに金に換えられない活動を金と同じような機能を持ったクーポンで評価してあげる。それによって、地域の活動を評価する。単なる無償のボランティアに終わらないようにする、という構造を作ってもいいんじゃないかということを提案したいと思います。これはどの地域でも取り組む事は可能ですが、かなり色々やっかいな問題がありますので、色々な工夫が必要です。かなり苦しんでいる横須賀やカナダのバンクーバー島、サンフランシスコの取り組み等を参考にしていただくといいと思います。

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